お題: 天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、
そう言うと、あなたはいつも黙ってしまう。
待っても待っても、その後に続く言葉が
聞こえてくることはなかった。
私が、悪魔と化した大波にさらわれて
あなたとともに生きるのを断たれてしまった
あの日からずっと。
今日もまた、天気の話だけだと思っていた。
そのとき、気持ちを落ち着かせるように
1度深呼吸したあなたが口を開いた。
やっぱりもう一度…もう一度だけ
君に会いたい…会いたいよ…会いたい…
あなたが振り絞るように言ったのは、
決して叶うことがないと知っているから、
今まで心の奥にしまい込んでいた言葉。
この言葉を言えるようになるまで、
あなたがどれほどの涙を乗り越えて
強く生きてきたかを私は知っている。
時には風になり、時には陽の光になって
あなたの一番近くにいるのだから。
また来るね、とあなたはいつものように
振り返りながら去って行った
少しだけ強い日差しと突然吹いた風に
あなたは気づいてくれただろうか。
さよなら、あなた。いつかまた会おうね。
追記:
お題更新に間に合わなかった〜‼︎ 最初は男性側から書いていたのですが、今は亡き女性の側からの視点でまとめてみました。ちなみに、今は台風接近が気になっているので天気の話はとても重要です。